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……当時を思い出そうとしたら、芋づる式に昔のがちがちだった自分を思い出して、何だか笑えてしまった。
それだけ、なのだけれど。
思えば、昔から頭は狙われていたな……というか、撫でられてた。
……背、小さいから、かな。
とりあえず、背後の日記から抜粋。
--------------------(以下、背後の日記より)-----------------------
PC(パソコンの方)初期化しました←
OS立ち上がらなくて……立ち上がらなくて……!
異変→電話→初期化→ネット繋いだ(今ここ)→ソフトのインストール
なので数日間携帯からログインしておりました。
ぐぐる先生からだと3点リーダーが変換されるのが悔しい……キスイは3点リーダーが無いと生きていけないのに←
まだ変換ソフトや辞書をインストールしきれてないので、誤字脱字や今まで使ってた記号なんかが使えなくなってますが追々補完していきますので。
----------------------------(以上)------------------------------
……誰が沈黙が無いと生きていけないだ。誰が。
というわけで、暫く復旧作業で反応遅くなるそうだ。
あと、ボクの闘技場の台詞で「3点リーダー」とやらが変換されるのを凄く悔しがっていた……ツボのわからない背後だな。(首傾げ)
「携帯」からの発言は文字数が限られてしまうので、ここ数日はあまり喋れなかった……。
喜んでいいのか困っていいのか、とりあえず背後はコンビニへ走るそうだ。
これで少しアトリエが賑やかになりそうだな。
イベピンとBU×2とIC×2完成待ち……ふむ、ボク個人としてはアトリエより依頼やDG、闘技場の方に回して欲しかったのだけれど。
あと、月末まで少し忙しいそうだ。反応など少し遅くなるかもしれない。
楓華では師走と言われる時期はのんびりとしたものだったが……少し遅い師走といったところだろうか。
……眠れなかった。
キスイはくあ、と眠気から来るのではない欠伸をしてから、ベッドから降りた。
麻布を簡単に縫い合わせて作った家履き――キスイはどうも、家の中で歩きまわるのに普通の靴では違和感がある――を履いてからキッチンへ向かうと、さて朝食は何を食べようかと積んである食糧を前に考え込んでいた。
以前集落に暮らしていた時は次にいつ食べられるかわからなかったので、今思えば青ざめる程に食べ物を詰めていたのだが、冒険者になる前の暫くの生活で街に暮らす人の一般的な生活スタイル、というものがわかったような気がする。
寝巻きのローブの袖を捲って、火を起こす。
煌々と煌めく炎の上にフライパンを置いて暫く熱した後、バターを入れて溶きほぐした卵を入れるとじゅわっという音と共にいい匂いがした。
適当に塩胡椒で味付けをしたスクランブルエッグと、パン、山羊乳を食卓に並べてから、キスイは誰もいない空間で一人「いただきます」と手を合わせた。
朝食を終えると、買いだしに出かけた。
肉は腐りやすいため少量しか買わないので、こまめな買い出しが必要で少し面倒臭い。
もそもそとTシャツの上から厚手の前開きパーカーを羽織り、ハーフパンツと編み上げブーツを履く。以上でキスイの外出スタイルは完成してしまうので、それに気がついたキスイは複雑な気持ちで苦笑した。
買い出しが終わると、太陽が燦々と照っていて瞼が重くなる。
眠れるだろうか、と少し行儀の悪い気はしたが、外出着のままベッドに寝転がってみる。だが瞼が重いのは変わらずとも、眠気はいつまで経ってもやってこない。
瞼を擦って一度伸びをしてから、いつもの服に着替えると、キスイは家から出ていった。
街の外れの高台にある館の門をくぐると、館の主人とあいさつを交わす。
『ただいま』と『おかえり』を。
3Fの隅で、クッションに包まれながら、キスイはようやく瞼を閉じる。
その時ふと、亡き母上の言葉が頭を過ぎった。
――獣はね、安心できる場所でしか眠らないのよ。襲われないとも限らないから。
何故それを思い出したのかを考える間も無く、キスイは夢の中へと意識を沈めていた。
何でだろう……笑わない頃のボクも、ボクだと思っていたのに。
でも何だか、今のボクの方が、好きだ。
ふと思い立ったので、街で彫刻刀を買ってきて木を彫ってみた。
出来は散々だったけど、楽しかった。
無趣味なボクだけど、これが趣味になったらもっと上手くできるのかな、なんて思ったりして。
明日、もう少し木を買ってきてみよう。